Googleがゲームストリーミング事業に参入することによって、株式市場にも少なからず影響が出てきそうです。
世界中のゲーム開発者約3万人が参加するイベント(GDC2019)が開催される中、スタディアの発表はゲーム業界に限らず衝撃的なニュースだったのではないでしょうか。
2018年は、ゲーム業界の売上高が358億ドルを記録し、株式市場としても無視できない規模となっています。
今回は、Googleが本格的にゲーム分野に進出することが示されました。
この記事では、これによる株式市場への影響等について考えてみます。
ステディアの勝ち戦
考えてみれば、Googleはゲームのストリーミングサービスを展開するには最強の企業ですよね。
インターネット上でゲームを楽しむプラットフォームを構築するには、既存の事業との相性がこれ以上ないと言って良い状況にあります。
グーグルクロームとの連携も利便性を向上させそうですし、ネット上での消費行動への影響力は計り知れません。
これに伴い、アマゾンも同様のストリーミングサービスを展開する動きがあります。
競合が激しくなれば、コンテンツの充実度等が比較されることになり、ゲーム業界でもIT企業によるオリジナルゲーム開発が進められ、ゲーム関連企業の買収等も活発になる可能性が高そうです。
買収関連での株価急落・急騰も一時的に増える時期が到来するかもしれません。
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ゲーム関連企業の負け戦
既存のアカウント利用者には、ブログ運営等を通じてグーグルと深い繋がりを持つ人達も多く、ブログで得た収入をそのままゲーム課金に使う人もいるでしょう。
このような新しいお金の流れは、ゲームソフト市場への影響が大きいはずです。
例えば、月に1本のゲームソフトを購入していたユーザーが、スタディアのストリーミングに課金して多種類のゲームを割安で利用できるようになれば、本来得られていいたはずの利益がGoogleに流れることになるでしょう。
Google新事業のニュースを聞いた時、真っ先に浮かんだのはゲームソフト販売各社の株価下落でした。
任天堂、エニックス、バンダイナムコ、コナミ、カプコン等、ゲームソフトを扱う有名メーカーはこれ以外にもたくさんあります。
今回のGoogleのストリーミング事業は、これらの企業業績に直結する話ですよね。
しかも、Googleのストリーミング事業は、ゲーム機本体が不要で、尚且つソフトの購入をしなくて良いのです。
既存のゲームコントローラーの他、マウスやキーボード等でも動作する上に、独自に専用コントローラーも発表しています。
その目新しさと手軽さから、スタディアを試す動きが広がるのは間違いありません。
その際、消費者が「これで十分」と感じてしまえば、ゲーム機もゲームソフトも今までのようには売れなくなります。
不動の人気シリーズは別としても、新しいゲームをソフトで購入する時代は終焉を迎える気配を感じます。
料金体系
スタディアの料金体系については、まだ詳しい事は分りません。(2019年3月現在)
アメリカ等の海外から先行してサービスを開始する為、日本での料金については全くわからない状況です。
無料ゲームを提供する中で課金サービスを行うのか、全てを有料ストリーミングにするのかによっても普及のスピードはかなり異なりそうです。
特に、スマホで利用するゲームは、無料アプリとしてスタートしなければ爆発的な広がりは起きませんよね。
もしも、スタディアのゲームが既存のスマホゲームよりも上質で、無料からスタートできるようなものだった場合、スマホアプリ関連の企業にも悪影響が出そうです。
もっと大袈裟な事を言えば、LINEやフェイスブックに代わる新しいコンテンツが誕生するかもしれません。
そうなれば、スマホ系IT企業の株価にも大きく影響してきます。
スタディアの料金体系と戦略次第では、本当に大きな変化を起こす可能性がありそうです。
個人的に、スタディア普及の『その先』には、更なる関連事業に繋がっていく気がしてなりません。
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家電と化すモンスター事業
Googleは、このサービスであらゆるデバイスにゲームをストリーミングできるようにします。
ゲーム機本体が無いまま、パソコン、テレビ、タブレット、スマートフォン等でプレイができるようになり、YouTubeからのアクセスも可能になるようです。
これだけ簡単にアクセスできる環境になれば、黒電話を知らない子供達がいるように、「ゲーム機って何?」と聞く世代が出てくるのも時間の問題かもしれません。
もはや、家電の一機能と化すようなレベルでゲームが身近になり、「ゲームをクリアするとポイントがもらえる」といった参加型広告事業等も展開される日が近い気がしてきます。
極端なことを言えば、「ゲーム」という言葉が「STADIA」に代わってしまうかもしれないくらいの事業かもしれません。
私達は、ゲーム業界の歴史が変わる瞬間に立っている可能性があると思います。
子供達が「ねぇ、スタディアやっていい?」等と言い始めたら、次の時代に変わったのかもしれませんね。
まとめ
考えれば考える程、スタディアの可能性には大きなものを感じます。
スタディアは、ゲーム産業の中でも、Googleにしかできない事に目を付けた感があります。
料金体系とアイデア次第で、途方もない数の人達に届くサービスになるはずです。
スタディア関連のニュースに合わせて株価が動くことも増えていくでしょうから、今後は注意が必要です。
また少し世の中が変わりそうだと感じる話題でした。