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米中貿易協議の進捗状況まとめ

この記事では、2019年6月28日から大阪で開催されたG20サミット後の米中首脳会談後の進捗状況についてまとめています。

米中の貿易協議の方向性が見えるまでを記録していきたいと思いますので、投資判断等に役立てていただければと思います。

 



一時停戦の合意

米国と中国は、6月28日から29日の20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)に合わせて開く両国の首脳会談を前に、貿易戦争の一時休戦で合意したと報じられました。

これによって、為替は108円台を回復し、日経平均株価も200円を越える上昇を見せました。

 

この報道の出所は、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによるものだそうです。

27日に、関係筋の話として報じられましたが、市場はこれに大きく反応した格好となりました。

 

今回の休戦合意によって、米国が発動を計画していた3000億ドル相当の中国製品に対する関税は保留されることになります。

しかし、合意の詳細は共同声明では行われず、各国のプレスリリースとして発表されるとのこと。

 

口約束の域を越えないようにも受け取れる為、突然にトランプ氏のツイートで下落に転じるという可能性も否定できない状況ではあります。

 

また、習近平国家主席は、米政府が一時休戦で合意することについて、「トランプ大統領との会談の条件」としていると伝えました。

ホワイトハウスによれば、米中首脳は29日午前11時30分(日本時間)から会談する予定。

 

6月28日の議論

2019年6月28日からG20が開幕し、貿易問題をテーマとした議論が交わされました。

安部総理が議長として調整を進める中、プラスチックごみの削減についても議論されます。

トランプ大統領は、日米首脳会談で貿易の他、軍事や防衛装備品等について話し合いたいと強調。

 

会議では、各国から米中貿易摩擦についての懸念が噴出し、景気減速リスクについて共通認識を持っていることを確認したとのこと。

しかし、これは集まって議論せずとも当然の認識だったでしょう。

 

いづれにしても、今後の方向性についての合意にとどまり、何か大きな成果があったとは言えないまま、無難な内容で終えたという印象です。

 

6月29日の議論

G20は、二日間の日程を終え、全会一致で首脳宣言を採択し、閉幕しました。

阿部首相は、「自由、公正、無差別な貿易体制の維持・発展について合意できる共通点を見いだした」と表明。

「信頼性に基づく自由なデータ流通の考え方を共有した」とも発言しています。

 

また、海に流出するプラスチックごみを2050年までにゼロにする目標を日本主導で提案。

これについても合意したことを表明しています。

 

米中貿易摩擦の協議再開

29日に、トランプ大統領と習近平国家主席が大阪市内での会談を実現しました。

この会談で、米中は新たな制裁・報復措置の発動を見合わせ、貿易戦争打開に向けた通商協議を再開することで同意したと報じられています。

 

トランプ大統領は、「すばらしい会談だった。協議は正常に戻る。両国は声明を出す」と発言しています。

今後は、閣僚級による通商協議が再開されることになります。

 

また、トランプ大統領は、会談で「新たな関税上乗せはしない」と当面の発動見送りを表明しています。

貿易戦争が「対中制裁第4弾」の発動によって泥沼化する事態はひとまず回避されたということになります。

 

しかし、2018年12月の首脳会談でも同じように一時休戦で合意したことがあり、結局はその後にアメリカの追加関税が発動されているという経緯もあります。

首脳会談でも中国側は制裁解除を求めていくはずですから、両者の妥協点を見い出すのは容易ではない実態もありそうですね。

 

トランプ大統領の記者会見

トランプ大統領は、G20閉幕後に記者会見を開き、中国通信機器大手「ファーウェイ」に対する禁輸措置を解除する方針を表明しました。

意外にも早い進展で、個人的にはかなり驚いています。

 

貿易協議再開により、中国から農産物の大量購入を勝ち取ったとアピールしているトランプ氏ですが、真意は不明です。

ここまでの禁輸措置で、既に充分な経済的メリットを得たということかもしれません。

 

来年の大統領選挙を強く意識したと見る向きもあるようですが、とにかくポジティブサプライズであることは確かですね。

追加の報道

6月30日の報道で、米中協議の詳細が分かってきました。

トランプ大統領は、安全保障上の大きな懸念が無い場合に限り、米企業がファーウェイに部品を売ることを認める意向を示したそうです。

 

この発表の中で、「この禁輸措置の解除は慎重に検討する」とも説明しており、その真意ははっきりしない部分が残っています。

中国側も、「中国の主権と尊厳に関する問題では、核心的な利益を必ず守る」と主張しており、今後の歩み寄り方については不透明なままと言って良い状況です。

 

6月30日、国家経済会議のクドロー委員長は、今後の両国の協議については、「相当な時間がかかるだろう」と述べ、期限を設けずに取り組むとの見通しを示しています。

 

7月の米中貿易協議の進展状況

米国閣僚が来週にも中国を訪問する可能性が強いと言われており、7月22日のNY市場では進展期待が高まっている。

 

日米貿易交渉

日米貿易交渉は、参院選挙が終わってから一気に協議が加速する可能性がありそうです。

トランプ大統領は、「おそらく8月に素晴らしいことが発表されると思う」と発言しているそうです。

 

トランプ政権としては、来年の大統領選に向けた活動が本格化する秋までに、支持基盤の農業関係者へのアピール材料が欲しいところです。

TPP離脱で米国産の牛肉等が日本市場で不利になっているアメリカとしては、輸入車への高関税措置を切り札にして交渉してくる可能性もあります。

 

再びトランプリスクが再燃する可能性もありますので、注目が集まりそうです。

日本側としては、農産物の関税引き下げをTPP範囲内にとどめることを条件にしながら、輸入車等の工業系関税を引き下げるよう譲歩を求める交渉となる公算が大きい。

 

2019年7月24日

NYは、7月29日に米中協議が再開されるとの報道で、株価が上昇しました。

ここで何か進展があるのだろうと期待されたようです。

サマーラリーの動きに繋がる可能性もあり、注目されそうです。

2019年7月25日

ムニューシン米財務長官やクドロー国家経済会議(NEC)委員長は、この会談で最終的な合意が成立する可能性は少ないと表明しており、両者の合意には今後も数回の会合が必要となるとの見解を示しています。

 

クドロー委員長によれば、交渉が進展すれば追加関税の発動はないが、通貨の切り下げ操作を厳しく監視していく方針だと言っています。

 

トランプ政権が7月25日に開催した閣僚会議では、ナバロ米国家通商会議(NTC)委員長がドル切り下げ案を提示したが、却下されています。

トランプ大統領は、他国による通貨切り下げ操作を懸念し、米国のドル高政策支持を表明しました。

2019年7月31日

上海で米中閣僚級の通商会議が行われ、31日の午後に話が本格化すると見られています。

トランプ大統領は、「協議はうまくいっている」とコメントした上で、「中国とは素晴らしいディールをするか、全くしないかだ」と述べ、引き続き強硬姿勢を崩さない様子を見せています。

話が全くまとまらない可能性もあり、市場も小動きな日が続いています。

追加関税第4弾発動

トランプ大統領は、米中貿易協議の交渉スピードが遅すぎるとし、9月から対中制裁関税第4弾を発動すると発表しました。

 

日本円にして約32兆円分に対して関税をかけることになり、ほぼ全ての中国製品(輸入品)に制裁関税を課すことになります。

今回は、スマホ、衣類、靴等、生活に身近な商品が多く含まれるため、アメリカ国民の懐にも大きく影響する内容となります。

 

更に、関税率を10%以上に引き上げる可能性まで示唆しており、マーケットはネガティブサプライズとして急落しました。

 

対中関税第4弾の一部延期

2019年8月14日(水)発表

中国からの輸入品3千億ドルに10%の関税をかける対中関税第4弾の発動は9月1日からの予定とされていました。

しかし、一部品目については、12月15日まで発動を延期するとの発表があり、NY株式市場は大幅反発となりました。

 

延期品目は、スマートフォン、ノートパソコン、ビデオゲーム機、衣類等とのこと。

トランプ大統領は、発動時期の延期理由は、クリスマス商戦への影響を避けるためだとしています。

 

2019年8月19日

香港の大規模な民衆デモに対して、中国政府による武力鎮圧等が生じた場合、トランプ大統領は米中貿易協議で署名することが困難になると牽制しました。

香港で、民間人との衝突が発生した場合、米中貿易協議へのマイナス影響が生じるとの思惑が生じやすい状況になっており、株価にもネガティブな反応が起こる可能性が高い。

 

また、週末に向けて、中国の習近平国家主席と電話会談が行われる可能性があるとの報道もありました。

この内容について明らかになるかは不明ですが、トランプ大統領による週末付近のツイートには警戒しておく必要がありそうです。

 

2019年8月20日

アメリカ総務省は、ファーウェイへの輸出禁止措置について、90日間の猶予期間の延長を発表しました。

通信ネットワークやスマホ保守などの一部分野で混乱を避けるための措置とされており、新たな猶予期間の期限は11月18日までとなりました。

 

また、ファーウェイの関連会社46社を新たに輸出禁止措置の対象に指定しました。

これにより、ファーウェイは、アメリカの部品等を利用することが益々困難になり、経営悪化が懸念されています。

 

磁気カード、プラスチック製品、モニター類等の追加関税は9月から実施されますが、中国への輸入依存度が高いノートパソコンや携帯電話等に関連する商品については、12月まで延長されました。

 

トランプ大統領は、「関税が長引くほどビジネスが中国から逃げ、貿易戦争に勝てる」と発言しています。

 

2019年8月24日

中国政府は、米輸入品750億ドル分に最大10%の追加関税を課す報復措置をすると発表。

これに対し、トランプ大統領は、既に決定されている対中関税を10月1日から5%引き上げると発表した。

 

これにより、発動済みの2500億ドル分が30%に引き上げられ、発動予定の第4弾分については15%になる。

中国に対し、「いないほうがマシだ」等とも発言しており、貿易戦争の激化は止まる様子がない。

専門家は、正解経済の成長率が低下すると見ており、株価も大幅安となった。

しかし、翌日には、米中での協議が再開されるとの情報が流れ、株価は反発しました。

根本的な問題は解決していない為、上値は重く、長期金利は逆イールドが加速しました。

 

2019年8月28日

アメリカ通商代表部は、9月1日と12月15日発動予定の対中追加関税の税率を、15%に引き上げると正式に発表しました。(当初の予定は10%)

携帯電話等、3000億ドル(約32兆円)が対象となります。

 

2019年8月29日

中国の報復関税としては、アメリカから輸入する自動車の多くが税率50%とされ、大豆の一部も30%に引き上げられることになりました。

9月1日からの発動姿勢は変えていませんが、9月予定の米中閣僚級協議については、両国の交渉団が討議していると発表しています。

中国が、これ以上の状況悪化を望んでいない姿勢を見せたことで、NY株式市場は大幅反発しました。

 

9月の進捗状況

2019年9月1日1

アメリカが制裁関税第4弾(15%)を発動し、約3200品目がこの対象となりました。

スマートフォンやおもちゃ等の555品目は、12月15日から発動する予定です。

 

これに対して、中国もアメリカから輸入する農産品などに最大10%の報復関税を発動しました。

今回は、アメリカからの輸入燃料も対象にしており、原油に5%の追加関税をかけています。

 

トランプ大統領は、今月予定している米中協議は、予定通りに行うとしています。

 

2019年9月6日

中国が、米中の閣僚級協議を10月に開催すると発表したことで、次の日程に対する不透明感が払しょくし、株式市場はこれを好感しました。

その他、香港では、逃亡犯条例の改正案を撤回するとの発表がありました。

 

2019年9月12日

中国政府は、対米追加関税を一部免除すると発表し、緩和姿勢を見せました。

アメリカから輸入する潤滑油や飼料用魚粉等、16品目について追加関税対象から除外するとし、除外期間を9月17日から1年間と発表しました。

 

また、一部の商品については、既に徴収した税額を返還する方針です。

トランプ大統領は、これに対して「中国は正しい事をした。とても良い対応だ」と述べています。

 

アメリカも、中国からの輸入品2,500億ドル分への制裁関税の発動を2週間先送りすると表明しました。(10月1日から予定していた追加関税を先送り)

話し合いが進めば、30%での関税発動が撤回される可能性もあり、注目を集めています。

 

中国は、今回の措置を『除外措置』の第一弾としており、今後両国でこのような歩み寄りが進んでいくことが期待され始めました。

NY市場は、このような流れを受けて大幅上昇しています。

 

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2019年9月13日

中国政府は、アメリカから農産物輸入を再開する方向で動き出していることを表明した。

中国企業が購入手続きの交渉を始めていると報じられました。

 

輸入再開の対象には、アメリカ産の大豆や豚肉が含まれているとされています。

以前から、トランプ大統領が中国に対して大量の農産物購入を条件にしていたことに対応することになる為、より一層両国の歩み寄りが進む可能性が出てきています。

 

10月の進捗状況

10月8日まで次官級協議が行われ、10日から11日まで閣僚級協議が行われる予定。

10月15日には、制裁関税引き上げが予定されている状況です。(第1弾~第3弾)

 

10月13日

アメリカは15日に予定していた関税引き上げを見送ることを決めました。

中国側は、アメリカの金融機関に対し、中国市場を開放する他、400~500億ドル相当の農産物を購入することで合意しました。

部分的な合意ではある為、12月15日予定の関税発動や、一部中国企業への規制は撤回されていません。

 

11月の進捗状況

2019年11月の進捗状況について、以下にまとめていきます。

11月5日

1日に行われた米中閣僚級会談では、米農産物購入・中国の金融市場開放・為替政策の透明化等で合意した模様。

知的財産権等について協議が続いているが、第一段階の貿易合意が期待され、NY市場は最高値を更新。(ダウ終値:27,462ドル)

 

11月7日

11月の部分合意を目指しているとのことだったが、場所やタイミングの問題で12月にずれ込む可能性があると報じられた。

 

商務省の高峰報道官は、「過去2週間にわたり交渉担当者は真剣で建設的な協議を行い、合意を巡り進展する中で追加関税を段階的に撤回することで一致した」と述べた。

米中が第1段階の合意に達すれば、双方が既存の追加関税を合意内容に基づいて互いに比例したペースで同時に撤回していくことになる。これは合意成立のための重要な条件だ」とのこと。

世界経済に影を落としてきた貿易戦争の緩和に向けた工程表が示される可能性が出てきたことで、日経平均先物が上昇し、為替も109.20円まで円安推移している。

 

11月8日

中国の報道官から、アメリカと中国がお互いに発動している関税について、段階的に撤廃していくことで合意したと伝えた。

第一段階の合意ができる場合、同時に同じ比率で関税を取り消すことが重要な条件としている。

 

また、追加関税をどれだけ取り消すかは、第一段階の合意内容に応じて決めると発表しました。

一方、アメリカ側では、政権内で意見が割れており、合意には至っていないとのこと。

マーケットはプラスの反応をし、最高値を更新した。

 

11月20日

11月20日、米国議会上院が「香港人権・民主主義法案」を満場一致で可決したことに対して中国が「成立させれば対抗措置を取る」と猛反発しました。

米中貿易協議の行方に新たな火種が浮上したことを受け、リスク回避的な円買いが進みました。

 

米国議会の香港人権法案については、下院が10月に可決した同様の法案もあります。

上院と下院の両院で法案可決している為、いづれにしてもトランプ大統領が署名すれば中国との貿易交渉に大きな影響が出そうです。

今後、大統領がすんなりと署名するのか、拒否権を行使するのかが焦点になります。

 

11月21日

中国からの新しい条件提示等があった為、貿易協議の第一段階の合意が来年にずれ込むとの情報が流れました。

一方で、アメリカは、年内の第一段階合意の有無に係わらず、12月に予定している関税引き上げを延期すると発表しました。

 

12月3日

トランプ大統領が、中国との交渉期限について長期的に考えているという趣旨の発言があり、12月中の合意について不確実性が増してきました。

香港情勢等が影響したことで議論(条件承諾)が長引いている模様。

 

アメリカ優位の内容でなければ合意しないという意思を示しており、NY市場もリスクオフムードになっています。

 

12月12日

ブルームバーグ通信のニュースで、米中両国が第一段階の合意について基本合意に達したと報じました。

あとはトランプ大統領の承認を待つだけの状態とのニュースに反応し、NY市場は金融株等を中心に大幅上昇しています。

 

まとめ

今回のG20を通じて、最も大きな成果は、米中首脳が直接対話する場が設けられたことかもしれません。

当面は、関税の追加発動は無くなりましたので、週明けの株式市場もひとまずプラスの反応をしました。

米中の協議の行方については、今後も株式相場が神経質な反応をすることになりそうですね。

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