吉本興業の記者会見が世間を騒がせた際、元々の問題とは違う方向へと話が進んでいきました。
当時、特におかしな行動をとっていたのが加藤浩次さんです。
スッキリの司会で様々な事件をジャッジしている立場にあったわけですが、ここにきてこの行動について決着がついたようです。
この問題を知らない人、忘れた人のために、経緯や加藤氏の行動についてまとめてあります。
※一般論であり、誹謗中傷の記事ではありません。
宮迫博之と田村亮の謎
そもそも、事の発端は、この二人の記者会見からでした。
彼等は、反社会勢力の関係者だとは知らずに闇営業をしたと告白しました。
しかし、相手が誰であろうと、そもそも闇営業自体が会社に対する背信的行為です。
しかも、はじめは「金品は受領していない」と嘘までついていました。
結果、金品は受領していましたから、会社にも世間にも嘘をついていたわけです。
これを世間は許さず、彼等はしばらくテレビから姿を消す事になりました。
相手が反社会勢力であると知らなかったとしても、その可能性を見過ごした責任も本人にあると言えるでしょう。
そもそも闇営業を依頼してくる相手なのですから、「知らなかった」というのも信じがたい面があります。
これって、一般企業だったら即クビでもおかしくない行為ですよね?
例えば、会社の商品を個人的に売買して利益を得ている人がいたら、社内で大問題になるのは当然ですもんね。
このような事実を、吉本側が隠蔽しようとしたとされているわけですが、だとしても、これはまた別の罪(問題)でしょう。
それに、不正をした当事者や他の社員が文句を言っている事にも違和感を覚えます。
例えば、自動車メーカーがリコールを隠していた場合に、製造担当責任者が内部告発的に「正直に言わせてくれないなら辞めます」と言うのならまだわかります。
今回の話は、製造工程で勝手に違反行為をし、会社に嘘をついて迷惑をかけた社員が、「正直に言わせてくれないなら辞めます」と言っているようなものです。
そんな人がいたら、「何を言ってるの?」と思いませんか?
一般的な企業での感覚からすれば、そもそも自ら退職するくらいの話ですし、どう考えても会社側をとやかく言える立場ではないように見えます。
また、自ら辞職しないのであれば、どんなに理不尽だと思えても迷惑をかけた会社の方針に従うしかないでしょう。
最も理不尽なことをしたのは、本人なのですから・・。
その挙句、「こんな会社は辞めて、子会社(明石家さんまの個人事務所)に就職します」と言っているのです。
そのお金も吉本から流れてくるわけですから、本当におかしな感覚ですよね。
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松本人志の感覚も変?
個人的には、ツイッターでの「松本動きます」の発言から少し違和感がありました。
吉本興業を一般企業の感覚で見てはいけないということなのかもしれませんが、これも常識的に考えて少しおかしいと思いませんか?
後輩のために立ち上がるのは素晴らしい事だと思いますが、その前に松本氏も会社の一員ですよね。
ですから、会社側に直談判するにしても、「彼等の処分については私に任せていただけないでしょうか」と願い出るとか、情状酌量の口添えをする程度が社員たる常識の範囲だと思います。
松本人志の「動きます」の結果は、社長に対して態度を改めるように注意をし、会社として対応を間違えたと諭すような内容でした。
そして、「もう一度立て直して、みんなでやっていこうや」みたいな事ですよね。
例えば、一般企業のトップ営業マンが「俺は売上上げてるから社長に意見できる」等と偉ぶっていたら、とてもアホっぽいですよね。
松本氏の動きって、正直、これと変わらないと思います。
松本人志が経営陣なのであれば理解できるのですが、そうでなければ一般的にはかなり変な行動です。
更に、「会長が辞めるなら、自分も辞める」とか、「吉本がつぶれていく危機感」といった発信もしています。
吉本の社長や副社長が、元々自分のマネージャー等であった経緯があるにせよ、吉本興業を「組織」だと言うのならば、自らも社員としての立場を通すのが筋でしょう。
事実、経営陣の立場は崩れましたし、加藤浩次のような反応をする者まで出る結果となりました。
それに、一生暮らせるだけのお金を稼がせてもらった後で、辞職をチラつかせて交渉するのが「男気」と言えるのでしょうか。
そこをいくと、相方の浜田さんの方がマトモな反応だったと思えてなりません。
社長の立場
重大な不正をした社員が、「記者会見をしたい」と言ったとしても、それをさせるか判断するのは会社側ですし、関わった全員を解雇する選択肢があるのも当然です。
実際、一部上場企業であれば、重大なコンプライアンス違反をした社員は解雇されます。
会社側が「勝手に記者会見するなら全員解雇」等と言うことも、一概に不当とは言えないでしょう。
彼等が本当に反社会勢力と関係を持っていないのかも疑わしい状況ですし、会社に嘘をつく社員に、勝手に会社の看板を掲げて記者会見をされるのは困る話だからです。
事実、宮迫氏は、事件の前後で島田紳助とも会っており、事前に反社会勢力だと知っていた可能性を疑われてもしかたない状況です。
会社側が、「これ以上、迷惑行為を上塗りするなら解雇」と考えるのは当然ですが、マスコミの取り上げ方は、やや吉本批判的なものでした。
彼等は、「一日も早く会見をやりたい」等と言える立場ではなく、社員として会社にとってベストなタイミングを考える責任がありますよね。
最も迷惑をかけたのは、「世間」ではなく、会社の信用面と、反社会勢力の被害者に対してです。
この状況を社長がどう伝え、どう受け取られるかという問題のように思います。
岡本社長には、このような状況を的確に伝える能力が無かったという事でしょう。
加藤浩次の暴走
当時、加藤浩次は、吉本に対して相当怒りを見せていました。
テレビでは言えないような内部的な事情等もあるのかもしれませんが、それを踏まえても少し感覚がズレている気がします。
パワハラや不正に対する是正を行う内部告発的な動きをするにしても、やり方とタイミングについて暴走と言われてもしかたない有様でした。
見方によっては、吉本を離脱して「のっとり起業」をしようとしていると言われても違和感はありません。
自分の所属する会社に対して「経営陣を刷新するしかない」とか、「変わらなければ辞める」等と公に発言したのですから、世間一般的に考えれば相当ヤバイ人ですよね。
どんな重役でも、株主でない限りはそんな事は言わないものです。
加藤浩次が吉本興業の大株主ならば話は別ですが、一社員が「今のままの経営陣では何も変わらない」等と決めつけて情報番組で発信するのもどうかと思います。
たとえそうだったとしても、それを決めるのは株主や経営者ですし、自分の理想の会社を創りたいのなら、自分で起業してくださいって話ですから。
仮に、会社の方針等に対して不満を抱いたとしても、一般企業であれば何も言わずに去るだけの事でしょう。
いわゆる、一身上の都合というやつですよね。
普通の会社では、「経営陣を刷新しないなら辞めます」等と言う人は皆無で、「会社が嫌なら辞めるしかない」と考えるのが社会人としての常識です。
百歩譲って、個人的に抗議することを理解したとしても、それは内々で静かにやるべきことですよね。
エージェント制度
その後、加藤氏は吉本と個別に話し合いを持つなどし、エージェント制を提案したようです。
吉本側もこれを選べるようにすることを許容したといったニュースが流れたように記憶しています。
趣旨としては、会社と芸人がフェアな関係で報酬を得られるようにするもののようです。
要するに、実質的な賃金交渉のようなものとなったのではないでしょうか。
営業の世界でよくある「フルコミ」に近いような雇用形態が可能となったわけです。
成果を上げた時には報酬が増えることになるのでしょうが、その一方で会社からはいつでも切ることができる状況になった面もあります。
法人と個人の場合、解雇をするには一定の要件が必要ですが、エージェント契約の場合には契約を解除するだけで実質的な解雇ができます。
今回、これが実行されたというわけです。
吉本側としては、加藤氏の行動や発言は、やはり見過ごせないものだったのでしょう。
各番組等に迷惑をかけないよう、準備期間を経た上で実行したものと思われます。
クーデター化した事実
当時の加藤氏の行動は、「会社に対する抗議」という域を明らかに超えていました。
少なくとも、普通の社員が行うことではありませんよね。
加藤浩次のやっていることは、クーデターと同じに見えました。
一般的な会社員としての社会常識にとらわれずに、彼等の行動だけを見ている人達は、「カッコイイ」等と感じるかもしれません。
でも、組織に逆らえば良いというものではありませんよね。
会社や仲間を想う気持ちは皆が持っていますが、それを行動に出す時には他者への影響等を慎重に考えなければいけないと思います。
それが社会人としての責任でもあるのではないでしょうか。
辞めてスッキリ
自分の勤める会社の経営陣がどんな体制であろうと、その環境下でやってきた先輩達はたくさんいます。
加藤浩次は、自分の正義と考え方を信じているのだと思いますが、どんなに正しくても会社は組織であり、株主のものです。
それに、あれだけ大人数の在籍者の中には、会社が変化しない事を望む人もいるかもしれません。
そもそも、自分で入りたくて入社したのですから、経営陣が気に食わなければ静かに辞めればいいだけのことです。
松本氏と同様、会社を辞めても困らないくらいの資産を築いてから暴れられても、興ざめする側面もあります。
結局、騒いでいるのは、会社を辞めても困らない人達だけですよね。
是非とも、自分から辞めてスッキリして欲しかった案件ですが、結局は一番カッコ悪い終わり方になった気がします。
まとめ
今回の一連の騒動を見ていると、全体的に何かおかしい部分を感じてしまいます。
加藤浩次は、宮迫と田村の告白に対して番組内で「勇気のある発言」等とも言っていました。
この辺りからも、かなり主観的にこの件を見ていることが窺えます。
芸人さんの中には、社会人として働いたことのない人達も多いようなので、一般的な感覚は理解できないのかもしれません。
吉本は、「会社」というよりは、それぞれの社員が委託業者の立場に近いのでしょう。
この為、仕事をとって稼いでいる者が立場的に強くなり、立場が逆転したと錯覚するのかもしれません。
そこにつけ込むことをしないで話し合いをするのが、真に公平な議論だと思いますが、皆さんはどう思われたでしょうか。