1人キャンプや、少数でのキャンプを楽しむ趣味を持つ人達が増えていますよね。
会社や人間関係での疲れを、自然の中で癒せる趣味として最高のツールなのかもしれません。
そして、本気でハマった人達の次のステージは、「自分のキャンプ地を持つ」ということになるようです。
某TV番組では、バイキングの西村さんが自分のキャンプ用に山林を購入したというエピソードを目にしました。
そこで、キャンプ目的の土地(山林)取得を夢見る人に、耳寄りな情報をお届けしたいと思います。
山林の探し方
山林や農地等の不動産は、近所の不動産等に足を運んでも見つけることはできません。
そもそも、不動産業者は「宅地」を専門としていますから、山林や別荘等の類は取り扱わないのが普通なのです。
ネット上には、いくつか山林の販売を行なうサイト等も存在しますが、広すぎるとか、場所が遠いといった事が起こりやすいと思います。
要するに、マッチングが上手くいっていない現状があるのです。
そこで、不動産のプロに、具体的な探し方(近道)を聞いてきましたので、参考にしていただければと思います。
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場所(エリア)を決める
キャンプ地として購入する山林の所在地は、とても重要な要素ですよね。
自分の家から近い場所に購入すれば、訪れる頻度も高くなるでしょう。
まずは、どの地域に購入するかをイメージすることから始めると良いと思います。
実は、東京都内にも山林はたくさん存在しています。
日野市から高尾にかけては、小さな山林がたくさん存在しており、ひとたび山の中へ入ってしまえば、そこはもう東京とは思えない世界があります。
ですから、東京都内にキャンプ地を持つという発想もアリなのです。
相続で処分したい山林を狙う
最もお得な価格で購入できるのは、相続対策等で山林を手放したいと考えている地主から購入する方法です。
相続を専門としている税理士や、相続専門の不動産コンサルティング会社等は、山林の処分に困っているクライアントを抱えています。
このような情報を1つにまとめ、マッチングを行う不動産業者がいれば、スムーズに山林を手にすることができるかもしれません。
しかも、相続案件の場合、「無料で良い」という地主もいるそうです。
移転登記費用と事務手数料はかかりますが、ほんの数十万円ですので安心です。
予算が50~100万円程度ある方は、この方法がオススメですね。
東京近辺では、株式会社TOMYが近場の山林を紹介してくれますよ。
地主に直接交渉する
土地勘のある場所や、気になる山林がある場合には、所有者に直接交渉するという方法もあります。
この場合、法務局などで所有者を特定し、手紙等を出すか、訪問をすることになるでしょう。
話が進んだとしても、契約のための不動産知識が必要になりますので、ある程度の段階からは、不動産のプロに依頼することになると思います。
但し、イレギュラーな動きなので、対応してくれる業者は少ないかもしれません。
地主は警戒心が強い人も多いので、税理士やコンサルタントを経由して話を進めるのが理想です。
山林専門のサイトを探す
自分が欲しいサイズや、適当な場所で手に入る可能性は低いですが、山林専門のサイト等を使う方法もあります。
この場合、手数料や注意点等をよく理解して進めることをお勧めします。
生産緑地を狙う
市役所に行くと、農業委員会という窓口があり、そこで生産緑地について聞くことができます。
場合によっては、都市計画課で取り扱うこともあるようです。
キャンプ地の候補になっているエリアで、生産緑地に指定されている場所をチェックしてみるのも方法の1つです。
所有者等の情報は開示されませんが、そのエリアに何カ所あるのか等は調べることができるはずです。
生産緑地の中には、畑で野菜をつくっているような土地もあれば、ほぼ山林に近いような土地もあります。
つまり、何らかの植物を生産していれば良いので、山で樹木等を栽培しているというケースもあるわけです。
生産緑地は、2022年で期間満了となるケースが多いので、2020年~2021年が交渉のチャンスなのです。
手に入るのは少し先になりますが、良い場所が手に入る可能性がありますので、面白い入手方法だと思います。
㈱TOMYでは、このような調査を3万円程度で行ってくれるそうです。(東京のみ)
山林所有の注意点
山林を購入する前に、いくつか知っておくべき事もあります。
山林とはいえ、立派な不動産ですから、所有者として理解しておかなくてはいけない事項があります。
以下にまとめておきますので、一読されておくと良いと思います。
山林の税金
山林にも、毎年、固定資産税が課税されます。
山林の場合、非常に安い金額ではありますが、数十年単位で考えると感覚も変わってくる部分があると思いますので、よく把握しておいてください。
また、所有権を移転する際には、登録免許税がかかります。
土地の広さや評価額によって金額が変わりますので、司法書士等に確認が必要です。
測量について
山林は、測量が行われていない事が多いので、正確な面積が分からないケースが珍しくありません。
登記簿上には、〇㎡と記載があるのですが、実際にはどこからどこまでの範囲なのかが不明確なのです。
宅地等の場合、境界杭を設置し、隣地との立ち合い確認等をして確定するのが一般的ですが、山林の場合にはこの作業が現実的ではないのです。
不可能ではありませんが、費用がかかりすぎるので、多くの場合は『現況のまま売買する』という事になります。
所有範囲が不明確な部分が存在することを了承した上で、取引を行う事になると覚悟しておくことも大切な要素だと思います。
造成について
私的なキャンプ用地として利用する場合、それほどの改良は発生しないかもしれません。
しかし、山林である以上は、いくらか手を加えて使いやすくしなければならないでしょう。
自分や家族の力でコツコツと整備する楽しみもあるかもしれませんが、決して楽な作業ではないと思います。
樹木の伐採には危険も伴いますし、専門家に依頼すれば1本数十万円の費用をとられることもあります。
駐車場スペースや、キャンプ地の確保等も視野に入れ、「自分の力でどこまで開拓できるか」という視点も大切です。
維持管理について
山の傾斜がきつい場合、土砂災害等の発生も考えておく必要があります。
敷地内については問題ありませんが、道路や隣地等に土砂が流れた場合には、何らかの責任が発生することも考えられます。
購入する山林の安全性についても、傾斜角を含めてよく検討すべきです。
山林の評価額
不動産には、『相続税路線価』という評価基準があります。
簡単に言えば、相続が発生したときに不動産を評価するための基準価格です。
山林の場合、路線価が存在しない場合もあります。
この為、評価が難しいケースもありますが、路線価が存在しないような場合、あまり心配することもありません。(価値が低いという事なので)
むしろ、問題なのは、相続税路線価が高い場合です。
道路や住宅街が近い山林の場合、宅地に近い価格で評価しなければならないケースがあるのです。
それだけ利用価値が高いということでもありますが、土地の評価が高いという事は、固定資産税や、将来の相続税も高くなる可能性があるという事です。
また、不動産を取得した時に課税される、不動産取得税についても考慮する必要が出てきます。
まとめ
山林を購入する時には、この記事でご紹介したような注意点についても気を配りながら検討しなければいけません。
そして、山林を安く購入するなら、相続案件を取り扱うコンサルタント等を介すのがコツです。
50~100万円程度で山林が手に入る可能性もありますので、チャレンジしてみると良いかもしれませんね。
交渉がまとまるまでに時間のかかる話ですので、早めに動いていきましょう。