この記事では、アスペルガー(発達障害)の発作的なパニック症状について実例をご紹介しています。
また、その原因や対処法についても最後にまとめておきますので参考にしてください。
パニックを起こした相手に対する対処を間違えると、誰かの命に危険が及ぶこともあります。
身近に重度のアスペルガー患者がいる人は他人事では無い話ですので、対処法については特に頭に入れておきましょう。
発作的なパニックとは
アスペルガーのパニック症状は、強いストレスによって脳が刺激されて起こるそうです。
発作的パニックの種類には、「癇癪(かんしゃく)型」と、「てんかん型」のケースがあるそうです。
「アスペルガー」と「てんかん」には、共通する遺伝子異変がみられることが分かってきました。
その多くがシナプス関連遺伝子での異変であることから、神経回路形成の異常である可能性が高そうなのです。
シナプスは、記憶と記憶を繋げ、情報を出し入れするために必要な回路ですから、思考系統に大きな影響を与えそうです。
アスペルガーが持つ、「繋げる思考が苦手」という特徴にも辻褄が合いますね。
パニック時の症状
私が目の当たりにしたパニック症状は、まるで子供が駄々をこねるような癇癪状態でした。
アスペルガーの人は、大人になっても強いストレス下で発作を起こすことがあるのです。
「ウゥー!」とか「アァー」等と奇声を上げて暴れまわり、「もう嫌だ!」等とわめくのです。
取り押さえて落ち着かせようとするのですが、余計に暴れ出してしまいます。
これが数分続くと、ブルブルと震え出して子供のように泣き始めました。
そして、やっと落ち着くと、そのまま疲れて寝てしまいました。
こんな事が頻繁に起こると、場所によっては大変危険ですよね。
自傷行為に及ぶこともあるそうですし、近くに凶器になるような物があれば、それを振り回す可能性もあります。
自制心が全く無い状態になり、我を失った暴れ方をするので、近くで見ていても独特の恐怖を感じます。
あと少し長引いていれば、確実に救急車を呼んでいたと思います。
面白エピソード
一方、ちょっと笑ってしまうようなエピソードもあります。
アスペルガーの人は、言葉をそのままに受け取る傾向がありますので、怒られている時に嫌味を言われても本当の意味がわからない事があります。
例えば、「それだけ嘘がつければたいしたものだよ」等と嫌味を言われ、まんざらでもない顔をしているのです。
思わず「褒めてないよ」と突っ込みたくなりますよね。
悪い意味で「ほんとにすごい感覚だね」と嫌味を言われても、「ちょっと褒められちゃった」みたいな顔をしているのです。
怒る側は、相手を追い詰め過ぎないためにも、こんな場面で笑える余裕を持っていたいですね。
過ちを繰り返す理由
例えば、「必ず聞いてから使う」という簡単なルールがあるとします。
要するに「使用して良いか聞いてから使いなさい」というルールです。
そして、本人も理解した様子で、「わかった」と約束をしたとします。
しかし、実際には、「必ず」という部分が行動に繋がりません。
「Aさんも使っていたから」とか、「急いでいた」等という理由で、無断使用してしまうのです。
そこで、「どんな時も聞いて使う」とルールを改めるのですが、「必ず」の意味が理解できない人に「どんな時も」という条件を与えても、結果は同じなのです。
結局は、「この場合はいいと思う」等と考えてしまいます。
ルールを当てはめることができないのです。
本人としてはルールを理解しているつもりですし、気を付けているらしいです。
しかし、いくら気を付けていても、ルールが適用できていない事に気付けないのです。
この結果、「気を付けていたのに怒られた」という結末になります。
アスペルガーの気持ち
アスペルガーの思考を理解するのはとても難しいですし、理解しようとするほどストレスを感じる面もあります。
私達に起こる事で例えるならば、『一生懸命に積み木を積もうと努力したが、途中で崩れてしまった時』のような感覚だと思います。
注意して積み上げていたのに崩れてしまうことはありますよね。
そんな時、「なんで出来ないのか言いなさい!」等と責められ、「あなたは積めるって言ったでしょ!」等と怒られているような感覚なのではないでしょうか。
いくら考えてもどこが悪かったのか分からない為、次に積み木をする時にも同じことが起きるのです。
こうして、「できない感」と「怒られた感」だけが残るのだと思います。
まとめ
大前提として、パニックを起こさせないように付き合うのが一番ではあります。
それでもパニック的な発作が起きてしまった時には、気持ちを落ち着かせることを優先してください。
そして、怒鳴り声等によって刺激しないようにします。
この時、甘やかさないことも重要だそうです。
つまり、癇癪を起したことによって思い通りの状況になる経験をさせない事が大事なのだそうです。
事態収拾のために「もう許したから」等と言ってしまうと、違う場面でも癇癪で解決しようとする癖がついてしまうのです。
とにかく、「落ち着いて」等と声をかけ続け、しばらく脳を休ませてあげてください。
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