簿記2級

簿記2級を3カ月で合格した独学勉強法

 

2023年の初仕事として、1月10日に簿記2級検定を受験してきました。

勉強期間は、10月9日~1月9日までの3カ月で、スクールなどには通わずに市販本での完全独学でした。

結論から言えば、簿記2級は、3カ月間程度の勉強で働きながら合格することができる試験です。

 

巷には、簿記2級の勉強法を論じた動画がたくさんあるのですが、個人的にあまり参考にならないものが多いと感じます。

皆が同じような事を言っているだけで、もう一歩踏み込んだ具体的な学習方法等について触れて欲しいと思いませんか?

情報不足というか、もっと注意点や具体的な勉強の進め方等をピンポイントで解説してあげないと、無駄な時間を費やすことになる可能性があると思うんです。

そこで、私の合格体験から、独学で合格するための学習方法等について具体的なポイントを交えてまとめておきます。

これから受験をされる方々は、是非とも参考にしてください。

 

勉強に必要な時間はどれくらい?

認定資格といえども、簿記2級に合格するにはそれなりに勉強をする必要があります。

一般的に目安にされるのは、250時間前後だと思います。

 

私は、自分の勉強時間を毎回ストップウォッチで計測して集計していましたので、「何にどれくらい時間がかかるのか」という詳細まで説明することができるデータを持っています。

 

結論から言えば、私のトータル学習時間は、280時間でした。

但し、ちょっとやり過ぎた面もあるかもしれません。

 

はじめて予想問題で合格点をとれたのが、約190時間位の時だったので、もしかしたら既に合格できるレベルにあった可能性もあります。

私の場合、確実に合格できるレベルまでやって1回で済ませたいという気持ちがあったので、本来必要な勉強量を少々オーバーした感があります。

 

ギリギリでの合格を目指す形でも良ければ、150時間位でも充分に勝機はある気がします。

 

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私は工業簿記を重視しなかった

簿記2級では、工業簿記を得意科目にすることが重要だと言われています。

この理由は、工業簿記の方がマスターするのが簡単ですし、一定の範囲で出題されているからです。

 

基本的にはこれが正しい攻略法だとは思うのですが、私はあまり参考にしませんでした。

結局のところ、どこで得点したっていいわけですから、各自の得意分野で予定を立てればOKだと思います。

 

事実、私は工業簿記で補助的に出題される問5については3点しかとれませんでした。

その分、商業簿記を強化し、問3で満点をとりましたし、工業簿記のメインとなる問4についても満点で合格しています。

 

私が言いたいのは、必ずしも工業簿記を得意科目にしなくても合格できるってことです。

あまり巷で常識化されている勉強法に惑わされず、個々の特性を活かして勉強プランを立てれば良いと思います。

 

私の場合、問1が16点(1問ロス)で、問2が8点、問3と問4が満点、問5が3点で、合計75点で合格しました。

工業簿記は実質1ヶ月ちょっとしか学んでいませんが、70点以上合格の試験で5点オーバーできれば充分ですよね。

 

こんな合格の仕方もありますので、それぞれのプランを持っていただければと思います。

 

最も重要なのは仕訳

私が最も重要だと思うのは、工業簿記よりも仕訳を正確にできる力です。

テキストを一巡したら、まず仕訳問題をこなして強化することをお勧めします。

 

私がやったのは、ネット上にある仕訳問題集みたいなやつをダウンロードし、わからない問題がなくなるまでやりました。

200問くらいの代表的な問題を2~3周やると、合格レベルの仕訳力がつきます。

 

結局のところ、この仕訳の実力が問2や問3でも活かされるので、総合的な勉強をしているのと同じなんです。

まずはここからだと思って勉強してみてください。

 

過去問に早く着手する

よくある勉強法として言われているのは、テキストを一巡して過去問をやり、分らないところはまたテキストに戻って学習する・・という動きを繰り返すというものです。

 

実際、これでもいいと思いますけど、個人的には過去問を繰り返した方が良いと感じますし、私はそうしてました。

テキストに戻って学習するというシーンはほんの数回で、しかも部分的にしかなかったです。

 

これは、私がテキストを一回で深く理解したという事ではなくて、過去問の解説で充分に理解できるってことです。

常々思うんですけど、テキストって「とりあえず全部を掲載しないといけない」みたいなところがありますよね。

 

自分がテキストの作成者だとしたら、一回でも出題された箇所って載せないわけにいかないじゃないですか。

これって、つまりは「よく出ないところ」も掲載しているわけで、あまり効率的・実戦的ではない内容になっている面もあるってことなんですよね。

 

あくまでも辞書的なものなので、やはり最重要視すべきは過去問だ!というのが私の方針でした。

過去に宅建を取得した経験からも、ある程度の難易度がある試験では過去問重視が最も効果的なんですよね。

 

これにブレることなく向き合い、間違っていたなら不合格でもしかたないと覚悟を決めて挑みました。

結果的に働きながら3カ月で一発合格できていますので、間違った方針ではないという事でしょう。

 

目的に合わせて学習すべき

簿記2級をとる目的は、人それぞれです。

経理などの仕事をしていて、会社で役立てる目的なのであれば、工業簿記を得意科目にするのが近道かもしれません。

ギリギリ合格を目指して勉強し、ある程度ヤマをはってもいいのではないでしょうか。

この場合、勉強時間は100~150位でもいける可能性があると思います。

 

一方で、更なる上位資格を視野に入れているとか、しっかりと身に付けて実務で役立てたい人の場合は、確実に合格できるレベルになる必要があります。

このような方々は、工業簿記よりも商業簿記に力を入れた方が次につながるので、多少苦労したとしても問1~問3での得点を目指すべきでしょう。

 

このように、皆さんが簿記2級を受験する目的によって、得点配分や勉強方針も変わるという点の説明をしている人があまりにも少ないと思います。

というか、こういったアドバイスをしている人を見たことがないんですよね。

 

問題集の使い方

私も、定番教材であるTAC出版の過去問集(合格するための本試験問題集)を使いました。

これが実質的にテキストと同じような役割を果たします。

テキストもTACですし、受験した会場もTACの施設でした。

 

誰もがテキストと過去問演習を繰り返すのがベストだと言うのですが、個人的にもう一歩踏み込んでアドバイスしたい点があります。

それは、全5問の内、特定の問題だけを通して勉強するという方法です。

 

例えば、「今日は問2だけを通して学習する」といった具合に、全体学習ではなく問2に集中して学習するんです。

こうすると、一気に数年分の問題を解くことになるので、平均的な力がつきますし、難易度についても理解できます。

 

問2という問題だけを見ても、色々な分野から出題されている事も分かってきます。

強化すべき点や、苦手な問題なども見えやすいです。

 

最初の頃は、問1~問5を通して演習しても高得点は出ませんし、あまり効率的ではありません。

それよりも、問2と問3の違いをしっかり理解するとか、問4と問5の違いを理解するといった勉強をする方が情報が整理されます。

 

私の場合、勉強開始から2カ月が経過した頃から、同一ジャンルだけを通して勉強するようにしていました。

TACの問題集は、全部で12回分の演習ができますので、一日に12回分をやれば一周できます。

今日は過去の問5だけを12回分やる・・といった感じです。

これを5日~7日かけて全5問分こなせば、12回模試をやったのと同じことです。

 

復習が重要

過去問をやる時には、問題こなす(何点とれたかという)ことよりも、分らない問題や間違えた問題を克服することが重要です。

次に同じような問題に直面した時、必ず解けるようになるんだという気持ちで復習してください。

 

私の場合、この復習の時間の方が長くなってしまう事が多かったです。

問題を解いている時間よりも、間違えたところを理解するための学習にこそ成長があるんですよね。

あとは、これを繰り返すだけです。

 

端末試験について

近年、パソコンで簿記2級の検定試験を受けることができるようになっています。

私もこれを利用して受験してきました。

 

言及しておきたいアドバイスとしては、午後12時スタートにして正解だったという情報です。

朝起きてから時間に余裕がありますし、朝食を10時くらいにすることによって眠気も起きません。

受験するなら12時スタートで予約することをお勧めします。

 

ペーパー試験との最大の違いは、試験機会が増えたことと、その場で合否が分かる事だと思います。

また、パソコン式の試験の方が、試験難易度が一定化されているとの噂もあります。

 

ただ、自分の場合、これはあまり当てはまらなかった感がありました。

問1の仕訳問題では、ちょっと見慣れない形式のものがあり、1問落としてしまいました。

 

また、問2では連結決算の表作成問題が出題され、きちんと答えを埋めるには40分くらいかかる内容でした。(自分にはですが)

問3は、過去問等でよく見かける損益計算書の集計問題でした。

問4では、シングルプランの出題があり、少々戸惑いましたが全体的には平均的な難易度だったと思います。

 

他の人の話を聞いていると、私の回は比較的にハズレだったように思います。

実際、試験中に問題全体を見渡した時、「無理かも・・」と思ったくらいです。

 

ちょっと珍しい出題としては、「棚卸減耗損の内、20%を営業外経費にする」という指示が付く問題があり、一瞬戸惑いました。

パソコン式の試験内容も日々変化しているのかもしれませんね。

 

まとめ

トータルの勉強時間は、過去問の演習についてどれくらいで完了できるかによります。

普通の人であれば、自分が納得できるレベルまで演習し終わるまでに150~200時間くらいかかるってことなんです。

 

テキストを読む時間だけで見ると、10時間くらいで終わります。

振り返って復習する分を入れても15時間くらいではないでしょうか。

 

なので、簿記2級の勉強の大半は、過去問の演習時間なんです。

要するに、一般的な目安とされる250時間~300時間をどれくらいの期間でこなすか・・というだけの問題です。

 

私の場合、一日3時間平均で勉強を進めたので、ピッタリ3カ月かかったわけです。

やる気さえ維持できれば誰でも合格できるレベルの内容ですので、最後まで頑張ってみてください。

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