専門家によれば、南海トラフ地震と連動して噴火する可能性が高いと言われています。
単独で噴火する可能性もありますので、前兆を感じさせる動きが観測された時には充分な備えが必要になります。
全く予想しないようなタイミングで噴火する可能性もゼロではないという意見もありますので、近郊の方々は事前の準備が大切です。
私達が考えておかなければならないのは、「本当に噴火した時、まず何か起こるのか」という事です。
もっと具体的に言えば、「最初に何が必要になるのか」を知っておく事でしょう。
大雨による大水災害や戦争等、滅多に起こらないはずの事が目の前で発生している現実があります。
富士山噴火についても楽観せずに備えておく意識を持つべきでしょう。
災害発生直後には大きなパニックが起こりますので、この記事で富士山噴火の備え方についてイメージをし、どの程度の準備をしておくかの判断をしておかれると良いでしょう。
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富士山の噴火と都市機能
噴火による被害想定は、富士山が噴火する場所によってかなり変わってくるそうです。
とりあえずは、過去の噴火事例を参考にし、最悪の事態で想定しておくしかありません。
噴火直後は、様々な災害が同時発生します。
地震の発生と同時に、噴石や衝撃波等にも注意が必要です。
火砕流や溶岩流等でも周辺に被害が出ます。
噴煙は、高度1万メートル付近まで到達し、みるみる広がっていきます。
その後、噴煙と一緒に石や火山灰が広範囲に降ってきます。
この火山灰は、ガラスを細かくしたような成分なので、様々な機器に影響が出ます。
都市部では、電線に設置された変電気等がショートし、大停電になる可能性が高いです。
河川にも灰が降り注ぎ、これが固まって水流を滞らせます。
この際、雨などが降れば、洪水を発生させる原因となり、二次災害としての水害被害が広がります。
河川災害や、地震による配管の異常等によって、多くの地域で断水が起こります。
一定の期間は、水道・ガス・電気の全てが停止する状況に陥り、まずは水の確保が急務となるでしょう。
このような状況を現実的に想像しておくことが、災害に備える上での第一歩です。
水の確保が最優先
長期戦になる災害で最初に考えなければならない事は、水の確保です。
水さえあれば、なんとか数日は耐えきることができるからです。
夏の暑い時期等に被災する事を想定した場合、水の有無は生死を分けるポイントにもなります。
水があれば、体を冷やすこともできますし、脱水症状等も防ぐことができます。
水道が使えなくなった状況では、雨水等を利用しようと考えるかもしれません。
しかし、噴火の際には火山灰が混じっている為、このような対策はとれません。
河川の水もため池の水も全て灰が混入してしまいます。
このように想像しておくと、水の大切さが良く分かりますよね。
そこで必要になるのが、水のろ過装置の備えと、他県からの水支援です。
しかし、他県からの補給支援については、数日の時間を要するでしょう。
火山灰が降っている状況では、車や航空機のエンジンも故障してしまう為、輸送は困難です。
この為、水については、1週間程度は自力でしのげるように準備しておく必要があります。
以下の記事を参考に、ろ過装置の製作知識と、必要な物資を確認しておくと良いでしょう。
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食料と電気
高速道路の損傷、航空機の運休等により、しばらくは輸送がままならなくなります。
災害発生直後は、人々がスーパーマーケットやコンビニに駆け込み、買い占め行動が頻発するでしょう。
このような事態に巻き込まれないように、あらかじめ備蓄しておくことが大切です。
備蓄した食品類は、定期的に消費しながら、賞味期限をコントロールしていくのが理想です。
しばらくの間、物資や食料の供給は停止すると考え、平時の時に揃えられる物資を確保しておくことが肝心です。
トータルで数万円の出費で済むのですから、生命保険等に比べてもかなり安い備えだと考えることができますよね。
噴火災害での電気対策については、『停電した時の備え』と、『電気回復後の備え』の2つに分類できます。
停電時への備え
富士山噴火での停電は、かなり長引く可能性があります。
電柱に使用されている碍子や変圧器等が灰で機能しなくなる可能性が高いからです。
この為、発電機を備えているかどうかで、被災時の苦しみがかなり変わってくることになるでしょう。
発電機があれば、空調系の電化製品を動かすこともできます。
寒さ・暑さへの対策となる他、調理面等でもかなり楽になります。
冬の場合、電気毛布やドライヤー等の電化製品を使えるかどうかで、体温への影響も変わってきます。
発電機については、必ず準備しなければならないものではありませんが、震災等の際にも使えることを考えると、数万円の保険に入る感覚で購入しておいて損はないでしょう。
需要ひっ迫の際には高騰しますので、平時に購入しておくメリットは大きなものがあります。
ガソリンを燃料にするタイプの発電機と、バッテリー型の発電機がありますので、状況や予算に合わせて備えると良いでしょう。
バッテーリー型の発電機はアウトドア等にも使えますし、簡易的なソーラーパネルで充電できるものも多いです。
ガソリン燃料の発電機は、メンテナンス等も必要になりますので、個人的にはバッテリー式がお勧めです。
電気回復後の備え
停電が終わり、一般家庭に通電が再開されたとしても、噴火による災害時はまだ安心できません。
多くの電気機器は、火山灰の影響で故障してしまう可能性があるからです。
有事の際、特に重要となるのは、エアコンやスマホ等の通信機器です。
これらを火山灰から防護するための備品や、室内の清掃用具等についても大変重要な役割を果たす事になります。
災害時にこれに気付いても、売り切れで買う事ができませんし、買えたとしても輸送が大幅に遅れる状況でしょう。
様々な商品において、コロナ流行の初期段階でマスクが不足した時のような事態になるわけです。
災害が発生する時期は選べませんから、通電時にエアコンだけでも稼働できるようにしておきたいですよね。
個人的にオススメなのは、室外機カバーを購入しておく事です。
必要になる備品類
最低限の生活環境を確保したら、次に必要になってくる物が変わってきます。
支援物資等を受け取りに行かなくてはいけませんし、降灰の処理等も日々行うことになります。
この時、様々な物が必要になりますが、すぐには手に入らないはずです。
そこで、事前に備えておくべき最低限の物資についてご紹介しておきたいと思います。
ゴーグル
火山灰の成分は、ガラス繊維のような性質ですので、目に入ると眼球を傷つける原因になります。
この為、噴火災害の際には目を保護するためのゴーグルが必須となります。
噴煙や火山灰を吸い込まないようにするためのマスク等も一定期間必要になります。
ゴーグルは、あっという間に品切れになることが予想されますので、できれば事前に確保しておきたいアイテムです。
「使わなかったら無駄」と考えるのではなく、「有事に入手できないリスクを無くす小投資」と考えることが大切です。
万が一、目の中に異物が入った時に備えて、アイボン等の洗浄液を備蓄しておくこともオススメです。
家族の人数に合わせた個数を備えておくようにしたいところですね。
レインコート
火山灰が降った後に雨が降ると、衣服などがひどく汚れます。
この為、レインコート等があると大変便利です。
こちらも、値段が高いものではありませんし、確実に品薄状態となるはずですから、災害用の備品として購入しておくと良いです。
地震や水害の際にも使用する可能性があり、防寒にも使う事ができるアイテムです。
意外に見落としがちだと思うので、家族の人数分だけ揃えておきましょう。
また、ブルーシート等も合わせて購入しておくと良いと思います。
降灰用の掃除用具
火山灰は、こまめに清掃する必要があります。
放置すると、排水溝を詰まらせる原因になる他、室内等に入ると電気機器を故障させる原因となります。
窓に付着した火山灰等も、固まる前に除去しておくと良いです。
自動車にも故障の原因を発生させますし、塗装にも影響しますから、高級者を所有している人はカバーシート等も必要になるでしょう。
噴火の被害を何度も経験している鹿児島県では、このような清掃用具が既にたくさん販売されています。
火山灰に特化したモップや廃棄用の袋等も存在します。
余裕のある方は、このような商品も取り寄せて準備されておくと良いでしょう。
まとめ
富士山の地下にあるマグマが動くと、低い周波数の震動が発生するそうです。
近年、このような微振動が増加しており、これが更に増えると噴火リスクが高まると言われています。
このようなセオリーに反して、突然の噴火が起こることも考えられます。
直近の噴火から経過した年月から見れば、噴火の周期を大きく超えているという事実もあります。
たった数万円の先行投資で災害時の不便を軽減することができるのですから、やはり備えは大切ですね。
東日本大震災やコロナウイルスでも経験した通り、起きなそうな事が意外に起こる世の中です。
有事の際に即戦力となるアイテムは、各自でしっかりと備えておくようにしましょう。