子供がいない人や、子供ができない人は、一度は子供の無い人生について、夫婦で何らかの結論を出すことになります。
私も、若い頃から、何度か夫婦で真剣に話し合った経験があります。
私達夫婦が最終的に出した結論は、万人に受け入れられる決断ではないかもしれません。
でも、たくさんの思考と話し合いの結果、何年もかけて辿り着いた結論なので、誰かの役に立つのかもしれないと思います。
同じような悩みで苦しんでいる方々の参考になれば幸いです。
現実を受け止める訓練
世の中には、子供を虐待し、殺害する親もいますよね。
そんなニュースを目にして、「なんでこんな人のところに子供ができて、本当に欲しい人の所に授からないのだろう」と涙を流す妻を何度か見てきました。
子供ができない人達は、「自分だけできない」という錯覚に陥りがちです。
自分が少数派のように感じ、劣等感を覚える人さえいます。
でも、もっと広い視点で見れば、世界にはもっと不平等な現実があります。
アフリカには、食べることも満足にいかない子供がたくさんいますよね。
最近は、イスラエルの空爆で子供が巻き込まれたというニュースを目にしました。
子供がいない人達にとって、このようなニュースはとても憂鬱なものです。
でも、これが現実であり、誰にも変えられません。
私達夫婦は、このような大きな不幸に目を向けることで、自分に起こっている不幸を軽く見る訓練をするようになりました。
そして、子供を持つリスクについても深く考えるようになっていきました。
これからご紹介する思考方法は、少し間違っている部分もあるのかもしれません。
でも、そう考えて乗り越えるのがベストだと思うのが、私の本音ですので、共感できる方だけ参考にしていただければと思います。
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いなくて良かった理由を考える
現実逃避ともとれる思考かもしれませんが、『子供がいなくて良かった』と思うことができれば、悩むこともありません。
そもそも、子供が欲しかったわけですから、本心からそう思えるようになるには相当の時間がかかると思います。
これは、子供をつくることを諦める方法ではなく、子供を欲しがる気持ちを減少させる思考です。
『諦める』という気持ちがある場合、その裏側には『本当は欲しい』という感情があります。
ですから、いくら言い聞かせても根本的な解決にはなっていません。
薬で痛みを抑えているようなものですよね。
根本治療を行わなければ、結局はまた痛みが出てしまうのです。
そこで必要になるのが、『子供がいなくて良かったと思える現実を知る事』です。
「子供=幸せ」ではない現実を知る
まず、実際に見聞きした現実の情報を並べてみます。
- 子供が出来てから夫婦仲が悪くなったと言う人が多い
- 教育方針等で夫婦喧嘩が絶えない
- 放射能や異常気象等、不安の多い時代である
- コロナ等、新種のウイルス感染リスクが高まっている
- 経済格差の大きな世の中に生まれてくるリスク
- 自分の子供が犯罪を犯すことがある
- 子供が自分よりも先に死ぬことがある
- 子供が障害や病気を持つことがある
- 子育てには膨大な時間を奪われる
- 常に心配事や悩みが絶えない
- コロナ渦で妊娠すると、とても不安
- 子供には相当のお金もかかる
このような事柄は、皆さんにも起こる可能性が高い現実です。
環境面については、既に起こっている事しかありません。
子供がいない人生は、楽な面も多いことに気付きませんか?
また、親になりたいという欲求は、自分のエゴではないのかと考えるようにもなりました。
あえてネガティブに考える
「子供が欲しい」という感情は、私達大人の勝手な希望です。
親になる資格があるかも考えず、「子供が欲しい」という気持ちが先行してしまいがちです。
生まれてくる子供からすれば、「こんな世界に生まれたくなかった」と思うかもしれません。
それどころか、「あなたが親なんて嫌です」と言われるかもしれませんよね。
それを言ってはオシマイでしょ・・という話でもあるのですが、私達のような境遇の人達には必要な思考だと思うようになりました。
実際の所、自分の親を嫌っている人は多いと感じます。
そして、今の自分自身が、もう一度この世界に生まれ変わりたいとも思いません。
自分の育った時代とは、科学技術と世界環境が大きく変化しました。
なんでもAIで処理できるようになり、人間の労働価値も低くなってきましたよね。
これから生まれる子供について、「こんな時代に生まれるのはかわいそう」と思う事も、1つの解決策なのです。
つまり、「産まない」という決断も、子供のためにできる事だと考えたわけです。
少子化対策には逆行する考え方ですが、単純に子供を増やせば善ということでもないでしょう。
事実、少子化対策は、税収が足りないから子供を増やしたいという側面もあります。
ですから、経済的な理由を優先して善悪を語るのはおかしな話です。
実際に、世界的な人口が増え過ぎて地球がおかしくなっているのですから。
ちょっと話が逸れてしまいましたが、私は、このようにネガティブに捉えることで、子供をつくらない(できない)ことへの苦痛を少し和らげることができました。
仮想の子供を持つ
私達夫婦の結論は、自然にまかせて生まれないなら諦めるというものでした。
ですから、妊娠をするための治療等は一切しませんでした。
だからといって、子供が欲しくないわけでもなかったので、自分達の中で「もし子供ができたら」という想像はしていました。
いつしか、その想像が楽しくなっていき、「きっとこんな子供だよね」とか、「絶対、これを教えたいんだよね」といった話が増えました。
子供の話をしないように避けるのではなく、仮想の話を楽しむ方が何倍も良いと思いませんか?
このような行為に、みじめさや寂しさを感じる人は無理だと思いますが、何も夢が無い状態よりは良いと思います。
それに、誰もそんな話をしている事は知らないのですから、そもそも、あなたが自分自身をどう見るかという問題なのです。
仮想の子供は、生意気な事も言いませんし、常に幸せな想像に尽きます。
たぶん、現実の子育てとはだいぶ違う想像をしていると思います。(笑)
それはそれで、いいとこ取りだと思うんですよね。
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まとめ
子供ができない現実を受け入れ、この悩みから解放されるには、2つの結末があると思います。
1つ目の結論は、子供をつくることができない年齢に達する事です。
こうなると、どうしようもありませんから、あとは寂しさを紛らわせる方法を模索するのみです。
もう1つは、この記事でご紹介したように、子供ができない事で得られる幸せにも目を向ける事だと思います。
様々なリスクを回避することができている事実があるのですから、悲観ばかりする必要はありません。
今ある状況と、今後の人生で大切にしていくものを見定め、考え直せば良いと思います。
「世の中にはもっと不幸な人がたくさんいる」等と考えることも前を向く勇気に繋がると思います。
それぞれの解決策を見つけて、良い人生にしていきましょう!