金魚を始め、飼育用の魚については、まだまだ分かっていない事が多いです。
人間の世界でさえも、今まで常識として通っていた事が「間違いだった」という発表がよくあります。
金魚の飼育においても、今の常識が、将来に「間違った知識だった」とされる部分が必ず出てくると思います。
この記事では、私が金魚やメダカ等の飼育をする中で感じた、「もしかすると間違いかも」と思った飼育常識についてご紹介したいと思います。
一般的な水替え方法
現在の常識では、水替えには予め数日間に渡って溜め置きした水を使い、温度を合わせて使用するものとされています。
そして、水替え時には全ての水を交換するのではなく、一定量は前の水を残すのが良いとされています。
これは、水質の環境を大きく変化させない為だとされているからです。
一気に水を変えるとペーハーショックという現象を引き起こし、魚にとっては良くないと言うのが定説となっています。
雨水は安全ではない?
雨水を溜めて利用する場合には、そのまま使っても良いと言われています。
しかし、最近の都会の雨は、安全とは言えないケースも多々あります。
また、私の経験では、夏の雨水利用はリスクが高くなったと感じます。
夜に、ハクビシンや鳥などが水飲み場として訪れていると、雑菌が混入することもあるでしょう。
以前、雨水を利用した際、魚の調子が悪くなったことがあります。
雨水の中には、虫が卵を産んでいることもありますし、夏場は雑菌が繁殖しやすい温度になることも増えたのだと思います。
このような理由から、雨水を使うよりも、浄水器等を通した水の方が確実に安全です。
カルキ抜きさえしっかりできていれば、雨水よりも衛生的だからです。
雨水は温度合わせだけですぐに使用できるという常識は、過去のものとなっていくのではないでしょうか。
水替えの温度合わせ
水替えの際には、水槽内の水と温度を合わせてあげることが重要ですよね。
この事自体は、これからも変わらない常識だと思うのですが、一つだけあまり書かれていない例外があると感じています。
水槽の水と、新しい水の温度を比較した時に、新しい水の温度の方がやや高いくらいなら、全く問題がないと感じます。
元々、水槽内の温度が高い場合は別ですが、常温で飼育している場合等は、1~2度高い温度の水を入れても平気です。
人間で考えてみても同じですが、いきなり寒い部屋に入れられれば調子が悪くなることもありそうですが、少し暖かい部屋に入れられたら「なんかイイ感じ」って感じそうですよね。
魚の場合も、少し温度が高い水へ移ることは、むしろ心地よい場合もあるのではないでしょうか。
水槽の水よりも冷たい水を入れると、魚の調子が悪くなるケースが多いので、「しっかり温度を合わせる」という意識が高まったのだと思います。
もしかしたら、1~2度高めの水を入れ替えとして使用する方が、安全だと言われる時代がくるかもしれませんね。
ペーハーショック
ペーハーショックは、水のPh値が急激に変化することで起こると言われています。
水替え時には、かなり気を使う部分ですよね。
人間で考えると、いきなり高山に連れていかれたような感じなのではないかと想像しています。
空気が急に薄くなって、動くと何故か息苦しい・・といった感じなのではないでしょうか。
水替えの後、ペーハーショックを起こした魚は、大きく分けて2種類の異変を見せます。
1つは、動きが悪くなり、底の方でしばらくジッとしているような異変です。
もう1つは、動きが激しくなり、あちこち動き回る反応を見せるケースです。
魚に聞いてみなければ実際の気持ちは分かりませんが、Ph値が良い方向に変化した場合でも、反応を起こすことがあります。
元気になって動いているのなら良いのですが、一般的にはそうではないと言われています。
人間でも、船酔いしていた人が陸に上がった途端に元気になる事がありますから、これと同じようなことが起こっているのかもしれませんね。
このような、立証できない部分については、その後の経過をしっかりと観察して判断(想像)するしかありません。
私の経験した限りでは、動かなくなるペーハーショックは魚に有害だと感じます。
一方で、動きが激しくなった場合は、その後ですぐに落ち着くケースが多く、死んでしまったこともありません。
エアレーションの必要性
私は、琉金を1匹だけ飼っていますが、この水槽にはエアレーションを入れていません。
既に約2年が経ちますが、元気に泳いでいます。
何度か病気(転覆病等)になりましたが、回復もに成功し、今は元気です。
これも、私の自論にはなりますが、商業的な目的で「必須アイテム」にされた側面もあると思います。
つまり、本来、無いよりはあった方がいいアイテムという事です。
魚が多い水槽や、弱い魚を飼う場合には必須アイテムですが、一定の生命力がある魚を1匹で飼育するなら、無くても全く問題ありません。
メダカでも金魚でも、充分な水量と水質で管理されていれば、数匹で飼っていてもエア無しでいけます。
これも、人間に当てはめて考えれば良いと思います。
肺炎等で弱った人は、酸素ボンベがないと苦しく、死んでしまうこともありますよね。
普通の人が酸素ボンベを使っても問題はありませんが、そもそも必要がないシーンが多いわけです。
自然界を見ても、フナやメダカ類については、比較的に流れの無い場所に生息していますから、水面から空気を取り込む機能は備わっています。
「エアレーションは、魚の環境や生命力などを考えて判断すれば良い」というのが、私の中での新常識です。
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フィルターや砂利の必要性
魚の環境適応力は意外に高い面もあります。
「隠れる場所がないとストレスになる」とか、「砂利がないとストレスになる」等と言っている人がいますが、私は一概には言えないと思います。
ペットショップ等で販売されている魚の水槽は、砂利等が入っていないスケルトンの場合も多いですよね。
メンテナンスがしやすいからだと思いますが、先程の説が正しいならば、販売されている魚達はストレス一杯の状態ということになりますよね?
隠れる場所もありませんし、むしろ毎日多くの人が覗き込んできます。
それを購入して家で飼っているわけですが、飼い始めた途端に、「隠れる場所がないとストレスなのでは」等と考えるわけです。
私は、魚の適応能力の方が上手だと思っているので、メンテナンスのしやすさを優先しています。
砂利も敷いていませんし、フィルターも使用していません。
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その代わり、こまめに水替えをしてあげて、いつも綺麗な水を保つようにするのがベストだという結論に達しました。
オシャレで居心地の良い部屋でも、数日で汚れ、空気も悪くなるのは嫌ですよね?
質素で何もない部屋でも、いつも清潔で空気がきれいな環境の方が、結果的に良い環境だと思います。
砂利等を入れることによって、メンテナンス回数が減るなら、入れない方がよほど魚のためです。
実際、1年近くスケルトン水槽で飼った魚に、隠れる場所を与えてみたことがありますが、ほとんど入ることが無く、むしろ警戒しているようでした。
まとめ
魚の事は、まだまだ分かっていない事がたくさんあります。
人間が勝手に思い込んでいるだけの事も数多くあると思います。
病気についても、深くまで研究するニーズに乏しく、そのために多額の費用を出す人もいないでしょう。
人命との差は大きく、治療法が確立されないままになっている病気が多いという事です。
だからこそ、「水質を守る」という事が最優先事項であり、病気等の予防には水質管理が一番有効な方法なのです。
一般的な常識にとらわれず、メンテンナンスの良さや、水質維持のための管理方法を良く考えてみてください。
あなたの魚にとって、水質維持が一番の幸せなのではないでしょうか。