個人事業主の発行する領収証や、スーパーマーケット等で発行するレシートには、印紙が貼られていない印象がありませんか?
この為、レシートには収入印紙を貼らなくても良いのではないかと思っている人もいるかもしれません。
だとしたら、法律等によって、印紙を貼らなくて良い業種等を規定されていなくてはいけませんよね。
この記事では、そんな収入印紙の疑問についてまとめました。
個人事業主の印紙税
個人事業主の発行する領収書は、5万円以上の代金受領に対して考えなければなりません。
もう少し詳しく言うと、消費税を除いた代金の合計が5万円以上の場合で、尚且つ営業目的であった場合です。
『営業目的であったかどうか』の判断は、少し難しいこともありますよね。
イメージとしては、店舗などの設備がない農業、林業又は漁業を行っている者が自分の生産物を販売する行為や医師、歯科医師、弁護士、公認会計士などの行為は、一般に営業に当たらないとされています。
店舗を構えているサービス業や、サービス自体を提供して利益を得ているような場合には、5万円以上で印紙が必要だと考えておけば良いと思います。
判断に迷う時には、貼付しておけば間違いがありませんが、不要な印紙を貼るのは無駄なことでもあります。
相手先との関係性も考えながら判断すると良いと思います。
レシートへの貼付義務
法律上、5万円以上の領収証を発行してもらう場合には、収入印紙を貼ることになっています。
では、レシートの場合はどうなのでしょうか。
スーパーマーケットやホームセンター等で発行されるレシートには、印紙が貼っていない印象がありませんか?
これは、日用品や食品の買い物の場合、5万円以上の購入になる機会が少ないことが原因です。
実は、レシートであっても、収入印紙を貼らなくてはいけない事に変わりはありません。
しかし、アルバイトやパートさんの知識不足やウッカリミス等により、収入印紙が貼られないままになることもあるでしょう。
中には、意図的に貼っていないお店もあるかもしれません。
「そんな事をして大丈夫なの?」と思う方もおられると思いますので、この辺りの事情についてもまとめておきたいと思います。
印紙貼付の実態
印紙税(収入印紙)の額は、大抵の場合は200円で済みます。
このたった200円の税金を厳格に取り締まるのは、現実的に難しいですよね?
ですから、個人事業主の場合、ほとんど見つかることはないでしょう。
しかし、印紙をきちんと貼らない業者だと思われれば、取引先に対する信用が落ちることもあります。
ですので、相手によって貼付するかどうかを決めている事業主も少なくないかもしれません。
一方、相手先がよく知っている人であったり、税務調査が入ることがないような個人等の場合、印紙貼付を怠った事実が明るみに出る事もないわけです。
印紙税の追徴金は、本来の印紙額の3倍のペナルティが課されます。
でも、年に数回の発行なので3倍でも大した金額にはならない・・と考える人もいそうですよね。
税務調査の対策
個人事業主が200円を誤魔化したとしても、それを調べる人件費の方が遥に大きいのは明らかです。
税務署側としては、やはり脱税額の大きな相手を探すことを目指しますので、量販店等のようなレシート発行数が多い企業をチェックします。
要するに、まとめてチェックできる相手に対して調査を実行するという事になるわけです。
具体的には、レシートを多く発行する企業の帳簿を確認するといった方法です。
「租税公課」という勘定科目を見れば、印紙をどれくらい購入しているかが分かります。
年間で5万円以上の買い物が発生する売上数との比率を見れば、誤魔化しているかどうかの目安となるでしょう。
店側としては、印紙を定期購入することでチェックを逃れることができる為、実際の店舗ではそれほど印紙を貼っていないケースもあるかもしれません。
こんな事情を理解しておくと、スッキリするのではないでしょうか。
まとめ
印紙税は、事業者側のモラルに委ねられている部分も多い税金です。
個人的には、最も重要なのは『相手先への信用』だと感じます。
そもそも、領収書を作成したことに税金をかけるという発想自体が理不尽にも感じますよね。
法律である以上は守らなければならない事ですが、車で言えば「一瞬のスピード違反」といったところにも思えますね。