相続対策や、節税対策に関心はあっても、何から始めれば良いのかは判断が難しいところです。
この記事に辿り着いた人は、少しは相続の事に関心があるという事だと思います。
せっかくの出会いですので、この記事では、「いつ、何から始めればいいのか」について明確にしたいと思います。
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相続税対策は何歳から考えるべき?
相続対策を「いつから始めるべきか」という問題に正確な答えがあるわけではありませんが、確実に言えるのは『早ければ早いほど良い』という事です。
特に、現金資産が多いケースでは、早いほど節税効果が高まります。
また、複数の不動産を所有している場合についても、準備期間は長いほど良いのです。
このような理由から、何歳から始めるかという意識を持つ必要はなく、今から将来の対策について学び、考えておくことが大切です。
自分で学習することが苦手な人は、一度は無料相談等を受けてみると良いです。
まずは「今できる事」について正しく認識することから始めてください。
暦年贈与は早い方が良い
皆さんは、暦年贈与という言葉をご存知でしょうか。
簡単に言えば、「毎年、非課税であげても良いとされる金額のルール」のことです。
一人につき、1年に110万円もらえる権利があると思えば分かりやすいと思います。
現金資産がたくさんある人は、子や孫などに毎年110万円ずつ渡していけば、将来の相続税対象資産が減ることになります。
時間をかければ、とても大きな節税ができますよね。
仮に、暦年贈与を10年継続すれば、1人の相続人に対して1,100万円の資産を非課税で渡せるのです。
この制度がある限り、相続税対策は早く始めるほど得ということになるのですが、この制度にも改正の気配があります。
専門家の間では、2023年~2025年には改正が行われ、非課税での贈与枠に制限がかかると考えられています。
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相続対策は誰に相談したら良い?
相続の節税対策は、誰に問い合わせ(相談)するのがベストだと思いますか? 相談先に迷う人が多い理由は、相続対策に複数の分野に渡る知識が必要だからです。 つまり、司法書士、税理士、弁護士、行政書士、宅地建 ...
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相続対策の優先順位は?
まずやるべき事は、相続が発生した場合にいくらの相続税がかかるか計算するという事です。
相続対策がどの程度必要なケースなのかを判断するためにも必要な計算です。
ですから、『将来に発生する相続税の額を把握する』という事からスタートするのが一般的です。
簡単な財産目録を作成しておくと、話がスムーズに進みます。
相続税は平均寿命で計算しよう!
今現在の相続税を計算することも大事なのですが、もう一歩深く考えてみてください。
実際に相続が発生する時期は、大抵の場合は何年か先の事ですよね?
つまり、その時の資産状況で考えた方が有効な対策になる可能性が高いのです。
日本人の平均寿命は、男性が81歳、女性が87歳前後とされています。
どうせ計算するのなら、平均寿命に基づいて算出するのが良いでしょう。
言い方を換えれば、平均寿命は「相続が発生しやすい年齢」という事になります。
専門家にお願いする際には、このような想定で試算表を作成してもらいましょう。
対策を講じる順番は?
相続対策の一般的なイメージとして、対策を講じていく順序をご紹介しておきます。
あくまでもスタンダードな例ですので、各家庭の状況によって多少異なりますので、その点はご承知おきください。
- 相談先を選別する
- 財産目録を作成する
- 相続税の試算を行う
- 節税策を検討する
- 相続対策のスケジュール化
- 対策の実行
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相続対策は誰に相談したら良い?
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相続対策の費用に相場はある?
相続対策にかかる費用や料金は、相談をする相手先によって大きく変わります。
相談先の選別については、家族間での親密度や、トラブル発生の可能性で判断します。
例えば、相続争いが起こる可能性が高いと分かっている場合なら、法律問題に強い弁護士や司法書士等の法律家に相談するのが良いでしょう。
一方、家族間の仲が良好で、「節税だけお願いしたい」という場合には、相続専門のコンサルタントや、相続専門の税理士等がベストです。
各相談先によって、相場が異なりますので、参考までに一例を挙げておきます。
税理士の相場
税理士には、大きく分けて2種類の人達がいます。
普段、会社の帳簿や申告業務をメインとしている税理士と、それ以外の税理士です。
世の中に存在している税理士の大半は前者です。
このような税理士は、節税などの知識はあるものの、相続のプロではありません。
相続を専門としている税理士は少なく、料金も比較的に高額のようです。
この為、大抵の人達は、普段は法人を相手にしている普通の税理士に相談をしています。
このような税理士に相続税の試算を依頼した場合、10万~20万円が相場になっているようです。
法律家の相場
トラブルになることが想定される場合には、法律家をメインにした対策をすることが望ましいです。
料金としては、着手金として10万~30万円程度の費用がかかるケースが多いです。
遺言作成サポートについても、10万円以上の費用がかかることが少なくありません。
総資産が大きい場合、法律家による作成であることが重要になりますので、やむを得ない出費といったところです。
資産3億円以下の場合、司法書士の自筆遺言サポート等でも充分だと思います。
この場合なら、5万円前後で遺言の作成・保管が可能です。
コンサルティングの相場
コンサルティング(コンサルタント)の料金は、相手先によって全く異なります。
サービス内容も、ピンからキリまでありますので、よく調べてから依頼してください。
特徴としては、最初の相談料金が安く設定されている点です。
ほぼ無料で、税理士や法律家に負けないサポート業務をしてくれる相談先も存在します。
一方で、総資産の1%、又は相続税削減額の10%を報酬とするケースもあります。
この場合、報酬額が数百万円単位か、それ以上になることもあります。
コンサル系の相談先は、レスポンスやサービス内容等も良い傾向がある反面で、料金体系が曖昧な会社も珍しくありません。
判別のポイントとしては、明朗な料金体系を掲げている相手を選ぶことだと思います。
相続対策の落とし穴
どんな相談先を選ぶにしろ、相続対策で注意すべき落とし穴について知っておいて欲しいと思います。
それは、法改正による落とし穴です。
どんなに法律に詳しい相談先でも、法律には逆らえません。
法律が変わってしまうと、これまでの対策が通用しなくなることもあるでしょう。
実際、保険商品等においても、相続対策で使えなくなったものがあります。
また、新しい対策案について、積極的に知恵を絞って考えられる柔軟性を持つ相談先であることも大切な部分です。
例えば、最近では、自民党で相続税と贈与税が一体化されるといった議論が行われています。
このような法改正によって、今後は暦年贈与をメインとした対策計画が崩れる可能性もあります。
そうなった時、どのような対策を講じるのか、明確なビジョンを持つ相手を選ぶことも重要だと思います。
また、民法や税法だけではなく、不動産等の分野でも法改正は行われます。
つまり、単独の業種からの視点ではなく、様々な専門家の叡智が集結されている相談先であることが最も重要な点だと考えます。
このような視点を持って相談先を選ぶことで、思わぬ落とし穴にハマらずに済むはずです。
相続対策での不動産売却に注意!
相続対策の一環として土地や収益物件等の不動産を処分(売却)する際には、いくつか知っておくべき事があります。
これは、一般的にそれほど知られていない情報で、ネット上でも書いている人はいないのではないかと思うくらい希少な情報です。
何故なら、普通の不動産業者に勤めている人達でも殆ど知らない話だからです。
もっと具体的に言えば、土地仕入れをする側の仕事をした人しか知らないノウハウがあるということです。
売却を依頼する相手先は、三井のリハウスや東急リバブル等の大手不動産会社を選ぶ人も多いと思います。
しかし、大手不動産業者で働く営業マン達は、「高く買ってくれる業者選別ができない」という実態があります。
彼等が得意なのは、エンドユーザー(一般客)に売る営業活動なので、買取業者との繋がりに自信のある人は稀です。
多くの不動産営業マンは、業者への土地買取案件を担当した際、飯田ホールディングス系の会社に査定を依頼するだけで終わります。
しかし、このグループ内においても、様々な会社が存在し、買い取り価格に差が出るのです。
仕入担当者の中にも、力のある人とそうでない人がいますし、決裁権者に近い位置で働く担当者の方が高く買えることもあります。
普通の不動産営業マンは、このような業者事情についてそれほど詳しく把握していません。
つまり、「どこの業者が最も高く買うか」という選別能力については、かなりレベルが低いと思って良いのです。
3つの重要ポイント
相続対策で不動産売却を依頼する場合、以下の3つに注目してみてください。
- 相続対策効果(エビデンス)の提示ができる
- 税務調査に対応した取引ができる
- 高く売れる独自ノウハウがある
1.エビデンスの提示とは?
相続対策での不動産売却には、『評価減による節税効果』や『資産の組み換え』等、明確な目的が必要です。
エビデンスとは、『対策前と後でどれだけ違うのか』・『本当に他の対策と比べて優れているのか』といった根拠を提示する事です。
税理士の言いなりになっているだけでは、それが本当にベストな対策なのかはわかりません。
ですので、総合視点での試算を行い、きちんと説明してくれる相談先(アドバイザー)に依頼することが重要です。
2.税務調査への対応とは?
不動産を使った相続対策には、色々な方法があります。
特に親族間で行う不動産の売買(親族間売買)の場合、取引価格を自由に設定するわけにはいきません。
何も知らずに、その辺の不動産屋に依頼してしまうと、相続時に大変困った事になる可能性があるのです。
売買価格が低すぎれば、相続時に「みなし贈与」と認定されて贈与税が追徴課税される可能性があります。
また、高すぎると、売主側に多額の譲渡所得税が発生する可能性もあります。
このように、親族間売買では、双方に発生し得る様々な税金をしっかり把握し、税務署が認めざるを得ないような根拠をもった不動産時価評価を行なえる業者でなければならないのです。
相続に精通した不動産業者は、不動産鑑定士や税理士と密な連携をとっています。
購入後の持ち分等についても、遺言や遺産分割協議を見据えたアドバイスをしてもらえる相手であることが大きなメリットとなるはずです。
3.高く売るノウハウとは?
相続での不動産売買は、個人向けとしては少し大きすぎる土地や、収益物件等である場合が少なくありません。
このような案件については、一般客に対して販売しても成果が出にくいものです。
時間的に余裕が無い場合も多いので、業者買取りになることが珍しくありません。
先程も少しご紹介しましたが、買取業者に少しでも高く買ってもらうには、一定のノウハウや人脈が必要になります。
仕入事情をよく知らない仲介業者が取り仕切っても、安値で叩かれて終わってしまうわけです。
買取業者の事情に精通し、効率の良い入札を実行できる窓口会社に依頼することが、大きな金額差に繋がります。
実際の事例で、大手仲介業者と比べ、買取価格に7百万円以上も高く売れた等、大きな金額差が生まれることが珍しくありません。
この為、不動産対策に強く、税理士やその他の士業と強力な連携をとっている相談先が理想です。
まとめ
結論を申し上げれば、相続の準備や、事前の対策については、いつから始めても早すぎるという事はありません。
たとえ早すぎたとしても、余裕を持って準備が完了することは良いことです。
大事な事は、将来の相続税が発生する可能性のある人は、早めに相談先を探し、本当に信頼できるアドバイザーを見つけることです。
そして、余裕をもって準備を開始しましょう!