サンドボックス(SANDBOX)というメタバースゲームの一種で、土地価格が高騰し、話題となっています。
仮想世界での区画が土地として販売され、2千万円超の値を付ける事例まで出ています。
この事から認識すべきなのは、地方や郊外にある実際の不動産(土地)よりも、仮想空間でのスペースの方が価値が高くなるという価値感の変化です。
仮想現実の中とはいえ、このような土地バブルのような事が本当に起こっているのですから、多くの人の注目を集めるのも当然ですよね。
この記事では、何故そんなことが起こっているのかや、今後のメタバース事業の展望等について、独自の視点からご紹介したいと思います。
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サンドボックスの土地が高い理由
サンドボックスというのは、メタバースの中で自分が考えたゲームを手軽につくれるフィールドです。
超簡単に言うと、クリエイター達が自由にゲームを生み出し、メタバース内に訪れる人達はそれで遊ぶ・・という仮想世界です。
自分が作成したゲームに人気が出れば、プレイヤーに課金してもらうとか、便利アイテム等を売ることも可能です。
それぞれのゲームデータに所有権を付けることができる仕組み(NFT)なので、アイテムや権利の全てに金銭的な価値を付与することができます。
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その結果、ゲーム内にあるアイテム・建物・土地等のデータが、実際のお金(仮想通貨)で取引できるようになっています。
皆が欲しがるアイテムや武器等は、誰かに高値で売ることもできるので、ゲーム内でお金を稼ぐためにプレー(労働)する人も出てくるでしょう。
サンドボックス内の土地が高額で取引されている理由は、ゲームをつくる人達が「良い場所に出店したい」と考え、競争が起こったからです。
現実世界で例えると、イオンモールのような確実に人が集まる場所に出店する権利を買っているのようなものです。
実店舗を借りるより、楽天内でネットショップを出す方が良いと考える人は、テナント料のような形で楽天グループに対して費用を投じていますよね。
この仕組みと同じように、ゲーム展開用の場所を出店する費用=サンドボックス内の土地代、という事なのです。
サンドボックスの将来性を感じたゲームクリエイター等が、先行して土地を買っているというわけですね。
即完していることからも、その人気と期待ぶりが伺えますが、どれくらいのゲーム寿命になるかは未知数な部分もあります。
仮想土地が一生の財産になる
メタバース内の土地(区画)は、誰かに転売することもできます。
そして、実際の土地のように権利が消えることがなく、次の所有者へと移すことができます。
たとえ価値が下がったとしても、誰かしら欲しがる人がいますから0円になることはないでしょう。
現実世界の不動産と同様に、価格を下げれば買う人はいるという事です。
自分で作成したゲームが人気になれば、その権利まるごと転売することもできます。
こうなれば、購入価値を大幅に上回る金額で取引されることになります。
面白いデザインの建物や、ゲーム構築の腕を評価されれば、たちまち有名人になるでしょう。
SNS等で「あのゲームは面白い」等と拡散されるとか、著名人がポジティブなコメントをするだけで、世界中から製作オファーが来るはずです。
クリエイター達は、自分が適正な評価を受けられる可能性を感じ、その価値を織り込んでいるのだと思います。
地代的な価値もある
単なるゲームプレイヤーとして訪れる人からは、課金アイテム等での収入を得ることもできます。
また、良い土地を持つ人は、その場所でゲームを作成したいというクリエイターから地代収入を得ることもできます。
ゲームフィールドという縛りがあるだけで、現実世界での地主と同じようなものなんです。
人目に付くような一等地であれば、所有地で広告する企業から報酬(広告料)をもらうこともできるでしょう。
ゲームプレイヤー達へのCM効果があるので、ビットコイン関連企業・アイドル・ミュージシャン等が広告目的で土地を購入するケースも散見されます。
企業が広告費を投じて参入していることも、高額取引額化の要因の1つと思われます。
メタバースでの土地売買
現在、話題となっている土地取引は、ゲームクリエイター、スポンサー企業、宣伝目的の有名人等が欲しがる土地・・ということになります。
これ・・あくまでも、今のところの話です。
今後、メタバース内には、世界規模のショッピングモールのようなものができると思います。
そして、毎日がブラックフライデーのような特売状態になっていると想像してみてください。
その仮想ショッピングモールで買うのが世界中で最も得・・という事になれば、本当に世界中から人々が訪れます。
メタバース内では、通訳を行う役割をする人達もいますし、将来的には自動翻訳で言語の壁がなくなるでしょう。
本当にこんな世界が現れたら、出店するための区画が想像もつかない価格で取引されると思いませんか?
アマゾン、楽天、アリババ・グループ(中国)のようなネットショップの運営企業は、倒産しかねないくらいのインパクトになります。
ですから、実際には、各企業がこのようなVR型ショッピングモールを創るか、共同で製作することになるはずです。
既存客をメタバース内に移行させるキャンペーン等が各社で繰り広げられ、顧客維持と業務の世界拡大を同時に行おうとするのではないでしょうか。
実際、そんなことが出来てしまうのがメタバースなのです。
どこまで先を見通すかは、皆さんの想像力次第ですが、無限の可能性を秘めていますよね。
サンドボックスの最悪シナリオ
サンドボックスでの土地投資において、最悪のシナリオは「一時的な流行で終わる」という結末を迎える事です。
最初は物珍しさから話題になりますが、ゲーム性能やグラフィックに進化がなければ、すぐに飽きられる可能性もあります。
次々と新しいメタバース事業が登場し、より魅力的なコンテンツが出てくることになるはずなので、既存ユーザーをどれだけ保持できるかという部分は未知数ではあります。
世界的なマーケットを最初に獲得していることは大きな強みとも言えますから、あまり心配する必要はないかもしれませんが、不確実な部分ではあります。
仮に、サンドボックスが過去の産物となったとしても、仮想現実世界での不動産取引は形を変えて続いていくはずです。
いづれにしても、資金力とレスポンスのある人は大金を掴むことになるのではないでしょうか。
現実の不動産価値が下がる?
別記事でも触れたことがありますが、メタバースが便利になっていく程、リアル世界での不動産価値は低下します。
オフィスについても、メタバース内で展開できる業種等が出てくるため、テナント需要は減少の一途です。
しかも、先程のような仮想ショッピングモールが展開されるようになると、若い世代が街で買い物をする機会が減ります。
そして、メタバース内では、販売スペースとしての土地が次々に販売されるようになるので、現実世界の土地価格は下落していく可能性が高そうです。
そう考えると、今後の不動産資産の組み換えは、メタバースの中へ・・という事になっていくのかもしれません。
この危機感を世間が感じるようになった頃には、企業等も動き始めているでしょうから、一気に様相が変わっていくのではないかと思います。
現段階では、地主等の資産家に対して、このような話を事前に説明できるコンサルタントもいません。
多くの地主が、昔ながらのアパートやマンションを建築しています。
メタバース投資が、現実の不動産に与える影響が大きければ、これらの相続対策は将来に悲惨な結果を迎えるかもしれませんね。
SANDBOXの土地購入方法
今、サンドボックス内で土地を持っていれば、高い確率で高額転売することができます。
なので、新しいフィールドが出現する度に、即完売しているような状況です。
サンドボックスで土地を買う方法は、現在のところ2つだけです。
1つは公式ページで公募された際、これを購入するという方法ですが、個人で購入できる区画はかなり小さいサイズになります。
最初の頃は、数万円~20万円位で取引されていたようですが、最近では40万円位の相場になっているようです。
このように、日々相場も変わっていくものと思われ、現実世界の土地よりも変動が激しくなるかもしれません。
高額で大きな区画については、オークション形式で売られます。
こちらは、企業等によってかなりの資金が投じられる案件になりますので、一般人には手が届かないでしょう。
もう1つの方法は、誰かが所有している土地を売ってもらうという方法です。
サービス開始当初は、自らがゲームを作成したいと考えている人が多いですし、手放そうと思う人も少ないですから、転売案件もそれほど存在しないと思います。
でも、初めから転売目的で手を出している個人投資家等もいますので、彼等が動き出せば意外に簡単に買えるようになるかもしれません。
但し、価格は相当上がっているはずです。
売却利益にかかる税金は?
仮想世界の土地は、今のところでは不動産登記法等の適用を受けません。
少なくとも改正が行われるまでの間は、単なる雑所得の扱いになるはずです。
現実世界の不動産を所有すると、不動産取得税がかかりますが、メタバース内の土地はこのような税もありません。
そして、取引時にかかる登記費用もありません。
現実世界では、不動産売却で利益が出ると、不動産譲渡所得税を課税されます。
メタバース内の不動産は、厳密には不動産ではなく、データ価値ですから、このような課税も適用されないのです。
簡単にいえば、貴重なデータの売買によって雑収入を得た・・ということですね。
何が言いたいかと言うと、現実世界の不動産投資よりも利益の幅が大きくなる可能性が高いってことなんです。
まとめ
一部の個人投資家や、先見性のある資産家等は、いち早くメタバース内での不動産投資を積極化しています。
メタバース内での不動産売買には宅建も不要ですから、おそらく、このような取引を仲介する企業も出てくるでしょう。
忘れてはいけないのは、サンドボックスのような話題は、メタバースの可能性の一端に過ぎないという事です。
もうすぐ、誰もが億万長者になるチャンスが目の前にいくつも出現してきます。
そのチャンスを掴むのは、どんな人達になるのでしょうか。
デザイン的な才能や、余剰資金のある人達は、そろそろ準備を始めておかないと時代に乗り遅れてしまうかもしれませんね!